このページでは分数のかけ算について説明します。
3/2×5/4の計算を実際にやってみると、下のようになります。
答えの分子は分子同士をかけた3×5=15になります。答えの分母は分母同士をかけた2×4=8になります。なので、答えは15/8です。また、2-2.分数の足し算で説明したように、答えは約分できない状態でなければならないことに注意してください。
では、なぜ答えの分子が分子同士をかけたものになり、答えの分母が分母同士をかけたものになるのか説明していきます。
3/2=3÷2です。5/4=5÷4です。分数は1つの数字として扱うので、ひとかたまりとみなしますから、3/2×5/4=(3÷2)×(5÷4)のように()でくくられた式のかけ算で表されます。しかし、実はこの()はなくても答えは変わりません(このことは後で説明します)。なので、3/2×5/4=3÷2×5÷4となります。ここで、1-10.計算順序のルールに書いた計算ルールから、かけ算、割り算の順序の入れ替えはしてもよいので、3/2×5/4=3×5÷2÷4とします。さらに、÷2÷4は÷(2×4)となる(このことも後で説明します)ので、3/2×5/4=3×5÷(2×4)となります。3×5÷(2×4)は分数の定義から、3×5/2×4となります。このように、答えの分子は分子同士かけたものになり、答えの分母は分母同士をかけたものになります。
では、(3÷2)×(5÷4)が()がなくても同じであることを説明します。
まず、式は基本的に左から計算するので、(3÷2)の()はなくても、結局変わりません。(3÷2)の()がないとき、(5÷4)を一番先に計算することになりますが、次に計算するのは3÷2だからです。なので、3÷2×(5÷4)とできます。また、÷2と×(5÷4)の順序を入れ替えられるので、3×(5÷4)÷2とできます。また、かけ算は、例えば2×3を3×2とするように、数字を入れ替えても同じ答えになる(わからなければ1-6.かけ算をご覧ください)ので、(5÷4)×3÷2とできます。上に書いたのと同じように、式は基本的に左から計算するので、(5÷4)の()もなくても、結局変わりません。なので、5÷4×3÷2とできます。ここから、順序を入れ替えることで、÷4を一番後ろに持って行き、5×3÷2÷4とします。次に、5×3を3×5として、3×5÷2÷4とします。最後に×5と÷2の順序を入れ替えて、3÷2×5÷4となります。()がないものと答えが変わらないことがわかりました。
では、なぜ÷2÷4が(2×4)で割ることと等しいのかを説明します。
わかりやすいように、8÷2÷4を考えますが、8ではなくても考え方は同じです。以下の2つの図のあ、い、うなどは人の名前だと思ってください。下の図は例えば8個のボールをまず2人で分けて、このうちの1人が4人に分けたという図です。つまり、8÷2を計算し、この答えは4なので、4÷4を計算したということを表している図です。