このページでは三角形の面積について説明します。
下の図のように、ひとつの角が90度である三角形を直角三角形といいます。また、角度が90度であるかどうかが重要になることが多いので、算数では90度であることを下の図のように表します。
三角形の面積は(底辺の長さ)×(高さ)÷2になります。高さとは、ある点からある辺(またはその延長線)に90度を成すように引いた線の長さのことをいいます。また、この線と交わる辺を底辺といいます。
では、なぜ三角形の面積は(底辺の長さ)×(高さ)÷2になるかを説明したいのですが、その前に(○+△)×□=○×□+△×□、(○−△)×□=○×□−△×□となることを説明したいと思います(○、△、□は数字で、なんでもいいです)。また、2-5.分数の割り算で説明したように、÷○は○の逆数をかけることと同じなので、上の×が÷でも同じようにして大丈夫です。
まず、(○+△)×□=○×□+△×□となることを説明します。(○+△)×□は(○+△)が□個あるということです。()の中には、○、△が1個ずつあるので、結局○が□個と△が□個あり、これを合わせるはずです。つまり、(○+△)×□=○×□+△×□となります。
具体例として、(3+2)×2を考えてみます。下の図の左に描いた1の場合は(黒で囲んだ)(3+2)が2つあるということを表しています。下の図の右に描いた2の場合は(3が2つ)+(2が2つ)ということを表しています。1の場合も結局3が2つと2が2つあることになることがわかります。なので、(3+2)×2=3×2+2×2になります。同じように、(○+△)×□=○×□+△×□となります。
次に、(○−△)×□=○×□−△×□となることを説明します。(○−△)×□は(○−△)が□個あるということです。()の中には、○、△が1個ずつあるので、結局○が□個あり、ここから△を□個引くことになり、○×□−△×□になります。なので、(○−△)×□=○×□−△×□となります。
具体例として、(3−2)×2を考えてみます。下の図の左に描いた1の場合は(黒で囲んだ)(3−2)が2つあるということを表しています。引くことを表すために丸の線を点線にしています。下の図の右に描いた2の場合は(3が2つ)−(2が2つ)ということを表しています。1の場合も結局(3が2つ)−(2が2つ)となることがわかります。なので、(3−2)×2=3×2−2×2になります。同じように、(○−△)×□=○×□−△×□となります。
寄り道が長くなりましたが、なぜ三角形の面積は(底辺の長さ)×(高さ)÷2になるかを詳しく説明していきます。まず、直角三角形の面積について説明します。下の右の図のように、同じ三角形をひっくりかえして、赤三角形で示したように配置すると、長方形になります。この長方形のよこの長さは底辺の長さと同じで、たての長さは高さと同じなので、この長方形の面積は(底辺の長さ)×(高さ)になります。
同じ三角形をつなげて長方形をつくったので、この長方形は直角三角形の2倍の面積になります。つまり、直角三角形の面積はこの長方形の半分になり、(底辺の長さ)×(高さ)÷2になります。
次に直角三角形ではない場合について説明します。下の右の図のように、三角形を2つの直角三角形にわけます。赤色の直角三角形の面積は、(底辺1の長さ)×(高さ)÷2になり、青色の直角三角形の面積は、(底辺2の長さ)×(高さ)÷2になります。
この2つの三角形を足した面積が下の左の図の黒色の三角形の面積なので、この三角形の面積は(底辺1の長さ)×(高さ)÷2+(底辺2の長さ)×(高さ)÷2={(底辺1の長さ)×(高さ)+(底辺2の長さ)×(高さ)}÷2={(底辺1の長さ)+(底辺2の長さ)}×(高さ)÷2になります。(底辺1の長さ)+(底辺2の長さ)=(底辺の長さ)なので、結局、面積は(底辺の長さ)×(高さ)÷2になります。
また、底辺の延長線と高さを表す線が交わるときについて説明します。下の右の図のように、2つの直角三角形を考えます。赤色の直角三角形の面積は、(底辺1の長さ)×(高さ)÷2になり、青色の直角三角形の面積は、(底辺2の長さ)×(高さ)÷2になります。
赤色の三角形から青色の三角形を引いた面積が下の左の図の黒色の三角形の面積なので、この三角形の面積は(底辺1の長さ)×(高さ)÷2−(底辺2の長さ)×(高さ)÷2={(底辺1の長さ)×(高さ)−(底辺2の長さ)×(高さ)}÷2={(底辺1の長さ)−(底辺2の長さ)}×(高さ)÷2になります。(底辺1の長さ)−(底辺2の長さ)=(底辺の長さ)なので、結局、面積は(底辺の長さ)×(高さ)÷2になります。
結局どんな場合でも、三角形の面積は(底辺の長さ)×(高さ)÷2になることがわかりました。